主人公とは何か。
主人公とは与えられた役割ではない。
主人公とは物語に必要とされ求められる存在のことである。
――ゆうめ『オススメの同人ゲーム教えて』
DLsite:うさみみボウケンタン
FANZA:うさみみボウケンタン
サークル『Loser/s』
うさみみ精霊と共に世界を救う唯一無二のボウケンタンRPG。
シナリオは思ってたんと違う!って感じでウルっとくるし、音楽は2000年代を彷彿とさせるエモさがあるし、うなさかはかわいい。
いきなり通気口?に落ちて異世界召喚される主人公の「主人公」。
立ち絵もなければ名前変更もできず、一言も発さないがよく喋るタイプの主人公。
世界を救う勇者らしい。性欲は強い。
勇者を導く役割を担う、うさぎの精霊「うなさか」。
主人公をマスターと呼び仕えており、マスターの命令には逆らえないのが精霊のつらいところ。
一生懸命にその役割を全うしようとしている姿はとても健気。かわいい。
他にも何人か主要キャラクターはいるのだが、紹介するだけで半分ネタバレのようなものなので自分の目で確かめてみて欲しい。
いずれも濃いというかキャラが立っているというか、プレイヤーの理解を置き去りにされる。
だって花は田舎のヤンキーみたいな喋りだし、虫でさえヤ〇ザみたいな口調なんだよ?
ていうか君たち喋るんだ……っていうところからなんだけども。
ボケというかユーモアというか、最初はひとつひとつ拾っていくつもりだったさ。
でも、あぁ……全部だコレ……って気付いて諦めたよね。
スクショのために2週目をしていて気が付いたけど、伏線とまでは言わないまでもストーリーの核心に触れるような要素がわりと序盤から散りばめられていて、ふざけてるのか計算なのかもう分からなくなる。
ノリと勢いが凄まじい世界観なので、ついていけない人には苦しいかも。ボクは大好き。
シナリオはオモシロ枠かなと思っていたら泣かせにくるし、まるで一本の映画を見た後のような充足感をくれる。
想像以上の出来の良さに混乱する。本当、何なのもう!
ボクはじっくり目にプレイして4時間程度でクリアしたが、内容が(いろんな意味で)濃いのでそれしか経ってないの? と感じるはず。
うなさかは見かけの時間以上に密度の高い体験を我々に与えてくれる。
このゲームでは直接殴り合うことはできない。世界はそのようにできている。
戦闘は相手を理解すること。端的に言えばクイズバトル。
なぞなぞ的な問題もあれば計算問題やタイピング、シンプルに知識を問われる問題もあるし、バナナはおいしい。
問題なのは出題範囲が偏り過ぎていて難易度がめちゃ高い。
一般人はバナナの最盛期とか知らんのよ。
救いとしては、問題には選択肢があることと、リトライしても出題される問題は変わらなこと、そして一部を除いて時間制限はないこと。
なので少しズルいが文明の利器を活用してもいいし、トライ&エラーを繰り返してもいいし、諦めなければ夢は叶うよ。
もとっも、最終問題に回答して主人公のHPが0になっていなければ勝利になるので全ての問題に正解する必要はない。
逆にイベント戦っぽい雰囲気であったとしても主人公のHPが0になれば即ゲームオーバー。
最後に立っていた者が勝者だ!
さらにこのゲームの見どころのひとつが音楽。
各戦闘ごとに異なるBGMが使われていること自体は珍しくないが、本作はヴォーカル入り。
イントロが長めなので気付かない人もいるかもしれないが、タイトル画面のBGMさえもヴォーカルが入っている。
ボクは起動したら最初に設定を開く流派なので、まずローマ字の入力方式の項目にん? となり、そのうちになんか声が聞こえてくるぅぅう! となる。
個人的にはナイア戦のBGMがお気に入りで、ラスボス戦かと思うくらい盛り上がってしまった。
作品における音楽の効果というのが如何に大きいかをわからせられる。お゛っお゛っお゛っ!
いずれの楽曲もセンスの光る名曲揃いなので、是非聴いて欲しい。聴け!
そして本作の目玉とも言えるのがセクハラ。
大きく分けると、フィールド上のどこでも可能な「セクハラ」と拠点でのみ可能な「おねだり」とがある。
「セクハラ」は文字通り、「おねだり」は本番中心の行為であり、特定のアイテムを入手したり小イベントをこなすことで実行可能な行為が増えていく。
この冒険はセクハラのインスピレーションを得るための旅と言っても過言ではないよね!(過言)
精霊はマスターに逆らえないので、その立場を利用して命令することも可能ではあるが、あくまで「おねだり」というのもポイント。
うなさかは渋々、仕方なくといった様子で許してくれる。
どうやらうなさかは押しに弱く、ちょっぴりMっぽい。
この反応は好感度が低い状態の場合で、好感度が高いあるいは恋人の状態では反応が変化する。
そもそも「セクハラ」や「おねだり」自体がバリエーション豊富ではあるが、ここに好感度による反応の差が掛け算されるので、それはもう大変なことになる。
嫌々というシチュエーションに興奮する! というカルマを背負った人はあえて好感度が低い状態をキープすることも可能ではある。よい、旅を!
ただし、好感度の高い状態でうなさかとコミュニケーションをとっておくと感情移入の度合いやストーリーの見え方が変わってくる。
ストーリーそのものが変化する訳ではないが、低い好感度をキープするのはその業の深さ故にストーリーを十分に楽しめない恐れがある。
(ちなみに、ラスボス目前まで進めるとうなさかの好感度を変更できるスキルを覚えられるので、自らの業と向き合うのは世界を救ってからでも遅くない。)
これまでプレイしてきた同人ゲームの中でもトップクラスに位置することは間違いないのだが、色々とギャップの大きい作品なので、こちらの情緒をめちゃくちゃにしてくる。
このところ連続で同人ゲームの醍醐味を味わっていたけれど、それらをまとめて一掃してくれた名作。つよい。
次回作の『MECHANICA――うさぎと水星のバラッド――』もやるっきゃないね!
今すぐやろう! や る !
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