MECHANICA――うさぎと水星のバラッド―― レビュー|ループする3日間をメイド共に

RPG

 前回記事のとおり早速やってみた。
 もうただのサークルファンだよ。

 ※今回の記事はほぼ前作のうさみみボウケンタンをプレイしている前提で書かれています。
 前作記事⇒笑いも涙もかわいいも全部ここにあるんだよ


MECHANICA――うさぎと水星のバラッド――
サークル『Loser/s

 サイバーパンクな水星の街でうさみみメイドと音を奏でるノンバトルRPG。
 街の人々と交流しながら宇宙崩壊までの3日間という「日常」を過ごすゲーム。

 前作から色々とパワーアップ。というか、ゲームとしては別モノに仕上がっている。
 本作も音楽に対する熱量が高く、ついにメインコンテンツに。
 オリジナルの楽曲も使われていて、オープニングのムービーが流れ出した時にはコレもう商業のやつじゃん!ってなった。

 うなさかいた⁉今、うなさかいたよね?

 てな具合でうなさかとボウケンしてきた人は余分に楽しめる。
 ちょっと脱線したので本筋に戻ろう。

 本作の主人公(名前変更可)は魔法で音楽を演奏する魔法使い。
 魔法を使った音楽は聴く人の感情に作用する。
 悲しみも楽しさも聴き手の心に寄りそう素敵な魔法なのだ。

 前作は少年漫画的な主人公だったが、本作は何というか……ラノベ系の主人公。
 コミュ障なのに人に好かれるし、クズなんだか善人なんだか分からないけど世界を救っちゃう系のやつ。
 ちゃんと喋るタイプの主人公なので、わりとしっかりキャラが立ってる。
 そしてエロ方面には思い切りがいい。

 そしてヒロインのメカニカ。
 福引きで当たった超高性能うさみみメイドロボ。
 基本的に主人がダメ人間なので、真っ当な人間に更生させるべく育成SLG感覚で身の回りの世話をする。

 プライドが高いが、母性は強め。
 主人を甘やかしたいけどメイドという立場なので自分からは言い出せず、あくまで命令されたからというスタンスを貫く。
 メイドとは難儀な生き物である。

 他にも登場キャラクターは沢山いるが、個性豊かで相変わらずのぶっ飛び具合をしている。
 それでも退廃的な街の雰囲気のおかげかあまり異質さは感じなかった。慣れただけかもしれない。
 そこに加えてひとりひとりにちゃんとバックボーンがあり、言動の必然性や説得力を感じるのも魅力のひとつ。

 本作の最終的な目標は3日後に迫る「宇宙の崩壊を止める」ことであり、崩壊を迎える度に3日前に戻るというループを繰り返している。
 「宇宙の崩壊を止める」には崩壊の原因を取り除かなくてはならず、「誰が・なぜ・どうやって」崩壊を引き起こすのかを明らかにしなくてはならない。
 そのためには音楽で相手の心を開き、情報を集めていく必要がある。
 ここでその人が抱えるバックボーンが明らかになり、それは得てして他人との繋がりであるため、人から人へと連鎖し一連の大きなストーリーとなっていく。

 もっとも、主人公はこの使命を背負っているという訳ではないので、目標のために奔走してもいいし、メカニカと爛れた日々を過ごしてもいい。
 そう言われながらも「宇宙の崩壊を止める」ための行動を起こすのが主人公の主人公たる所以なのだろう。

 ただし、セクハラはする。

 本作においてもセクハラシステムは健在なのだが、演奏するためにはエロいことでPOWERを回復しなくてはならないという必然性がプラスされた。
 言い訳できるよ!やったね!

 好感度システムも同様に健在で3段階に反応が変化するが、好感度によって解禁される関係進行イベントを見ることで反応が変化していく。
 つまり、このイベントをあえて見ないようにすれば好感度が低い状態の反応を維持することができるのだ。
 本作は前作以上に好感度が低い状態での「嫌がる反応」が強めなので、より深い業を背負った人たちも満足できることだろう。

 関係が進行した時の反応はIQの低下が著しい。
 あんなに嫌がってましたやんってなる。

 パワーアップしたのは反応だけではない。
 セクハラそのものの種類も増えて、より尖った領域へと突入した。
 これにより鋭利な性癖を持つ諸兄方も余すところなくメカニカの母性は包み込んでくれる。
 鋭利な性癖って何だ。

 パワーアップといえば、本作にはアイキャッチが入るようになった。
 しかもかなり種類が豊富で、実際何パターンあるのか確認できていないほどだ。
 これでまた「アイキャッチ=ハイクオリティ理論」が補強されてしまった。

 どこをとっても前作から進化しているのは確かなのだが、個人的にはシナリオの比重が大きくなったように思える。
 ぶっちゃけストーリー自体は前作の方がボク好みではあるのだが、本作はシナリオが作品全体の端々まで根を張っている、そんな印象を受けた。

 主人公をはじめとして登場人物は皆、二律背反や矛盾といった相反する感情や想いを抱えている。
 けれどもそこに明確なひとつの答えを出すのではなく、どちらも抱えたまま、何となく折り合いをつけていけばいいと背中を押されたような気がする。
 それでもいいんだという優しさに溢れた希望のようでもあるし、安易な答えなどないという厳しい現実を突き付けられたようにも感じる。

 変に真面目な文章になってしまった。こんなはずじゃなかったのに。
 うさみみシリーズは3部作らしいので、どう締めくくられるのか楽しみに待つとしよう。
 待ち切れなくなったら、うなさかとメカニカを見て癒されよう。
 やっぱり正義は勝つし、愛と勇気は最強だ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました