妖縛奇譚アポカリプス レビュー|オカルティック調教シミュレーション

シミュレーション

 ボクはどちらかと言えばホラーが苦手だ。
 でも見ちゃうよね。怖いもの見たさ。

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サークル『サークル 裏ぴろちゃき

 少女を生贄へと調教するホラーな雰囲気のシミュレーション。
 ホラーと言っても全体的にそういった雰囲気というだけで、プレイヤーを直接驚かせにくるようなことはない。幽霊は出る。
 調教とは言うもののヒロインの人間性を破壊することが目的なので、ひとことで言えばSAN値を削ってくるタイプのゲーム。

 とりあえず登場人物から紹介。

 「仁科邦彦」
 おそらく本作の主人公と言えるキャラクター。
 プレイヤーの視点も常にこの仁科の目線からになる。
 本作の舞台となる『村』の出身で、そこで行われる除霊を取材する記者。

 「長岡亜矢」
 今回の除霊を行う霊感少女。
 クールな性格で、なかなかキツいもの言いをする。
 生贄にされてしまう対象であり、調教の対象は彼女一人のみ。

 「南部真琴」
 村に滞在中の世話をしてくれる少女。
 親切だが、端々に意味深な言動も見られる。
 えっちはちょっとだけある。

 本作はシリーズ2作目ではあるが、1作目をプレイしていなくても楽しめる。
 世界観や設定は1作目を引き継いでいるし地続きといったところだが、必要なことは本作中で全て説明してくれるので本作のみでも特に問題はなかった。
 求められるのは1作目の予備知識よりも読み手の感受性や勘の良さみたいな文学的な適性である。

 どういうことかというと、本作のストーリーは哲学的なものをふんだんに含んでいる。
 ストーリー自体に横の広がりはあまりなく、仁科の行動の必然性だったり生贄を育てる目的にフォーカスしているので、一点集中の深堀り型。
 最初から最後まで暗い話というのと至る所に狂気が潜んでいるので、これを紐解こうとするのはある種の深淵を覗いている気分になるのでやめた。

 ストーリーには鬼が潜んでいるが、ゲームのメインであるシミュレーションパートでは鬼畜になることになる。

 ゲームのシステムとしては5つの調教コマンドを連続で実行して仁科と亜矢のパラメータを変動させていく割とオーソドックスでシンプルなシミュレーション。
 5回連続で同じ調教コマンドを実行したり、5回目に挿入系や霊虐系コマンドを実行するとボーナスが付く。
 他にも仁科の「意気」が1,000に達すると射精、亜矢の「体感」が1,000に達すると絶頂し、これらにもそれぞれボーナスが付く。
 亜矢の「生命」・「理性」・「体感」・仁科の「精力」のいずれかが0になると調教が強制終了され、亜矢の「生命」か「理性」が0になった場合は翌日ゲームオーバーになる。
 亜矢の「恐怖」・「色欲」・「屈辱」が全て1,000以上かつ仁科の「生命」が1,000以上で最終日を終了するとトゥルーエンドになるのでこれが目標となる。

 これだけ見ると割と簡単そうに見えるが、難易度はやや高め。
 調教コマンド毎に変動しやすいパラメータは決まっているものの、変動値が一定ではないため、想定外の射精・絶頂で亜矢の生命や理性が尽きてゲームオーバーということがよくある。
 かといって余力を残していると最終日にパラメータ不足になりかねないゲームバランスなのでなかなかにシビアである。

 攻略情報というほどでもないが、ボクが通常モードでトゥルーエンドを達成した際の大まかな方針を載せておくことにする(ゲームデータに同梱されている攻略のヒントは読んでいる前提)。
・事故でゲームオーバーになりやすいので1日毎くらいにセーブデータを分けておく。
・恐怖と色欲は気にしなくても割と自然に伸びていくので、屈辱を意識的に伸ばしていく。
・5回連続同じコマンドや挿入系・霊虐系のコマンドは最後に持ってくるなどボーナスを意識する。
・挿入系・霊虐系のコマンドは1日に1回程度。
・精力は0にも1,000にもならない程度に適度に抜いておく。
 大体こんな感じで14日目の終了時には亜矢のパラメータは3つとも1,000以上、仁科の生命は1,200を超えていた。
 回復に充てるために調教を実行しなかった日はなかったが、日を跨ぐと仁科の生命がかなり減るので最終日に減少分を取り戻せるかが割と危なかった(トゥルーエンド自体は1,000を超えていればいけるので、1,200を目指すと際どいくらい)。

 全体的に説明が少ない傾向があるので、自力で試行錯誤しながら感覚を掴んでいく必要があるところにレトロゲーみを感じる。
 絵柄も時代を感じさせるタッチなのでパンチが強めだが、シミュレーションパートで見るとそうでもないような気もする。目が慣れただけかもしれない。

 シミュレーションパートの亜矢は最初から最後まで全裸で縛られている。いわば全編エロ。
 調教を実行するとコマンド毎にアニメーションが流れ、亜矢が喘ぐ。
 喘ぐと言っても大半が苦痛系の悲鳴なので、快感を感じているような反応はほとんどない。

 調教コマンドの内容も調教モノらしく殴るなどの暴力系に始まり、果てはスカトロや蟲までありニッチな方面へと突き進んでいる。
 ボイスパターンこそコマンド毎に2種類ずつくらいあるようだが、パラメータによって段階差分のように反応が変化したりはしない。
 調教前後のセリフはパラメータか経過日数によっていくつか変わっているっぽいが。

 こう書いてしまうと内容が薄いように見えてしまうが、調教コマンドは26種類ある。
 そしてその全てに異なるアニメーションがあるので、ボリュームとしては多いのか少ないのか。
 少なくともボクはボリューム不足だと感じることはなかったし、差分でボリュームを稼ぐよりも1から別個のものを作る方が手間なのは確かだ。

 ひとつひとつのアニメーションは短いが、一枚絵を動かしている独特のぎこちなさがあまりなく、かなり丁寧に作り込まれていることが覗える。
 そういったクオリティの高さやコンセプトの背徳感もあって、文句なくエロい出来である。
 エロいというよりも官能的といった表現の方が適当かもしれない。

 個人的な注目ポイントがセオリーに逆行した妖しさだ。
 この手の癖を煮詰めたようなジャンルは誇張やデフォルメがより効いていることが多いが、本作においてはむしろ妙にリアルに寄っている部分があるように感じた。
 全力でフィクションですという世界観でリアリティというのも何だかアレだが、変に現実的というか生っぽさを残していることが臨場感や背徳感を演出することに一役買っているのかもしれない。
 事実、エンディングまでプレイしてみて、ちょっと仁科に寄っている自分に気が付いて本能的なヤバさを感じた。

 こういうコアなジャンルとしてはあと一歩突き抜け切っていないようにも思えるが、グラフィックにしてもシナリオにしてもポテンシャルの高さが漏れ光っている。
 絵柄とか表面的な分かりやすい部分で門前払いされて埋もれてしまうにはあまりにも惜しいものがあるだろう。
 ここまで読んでくれている人は何かしらの素養はありそうなので、一度手に取ってみてはどうだろうか。

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