神隠し しょぅじょ贄 レビュー|祟り神になって少女に這い寄るシミュレーション

シミュレーション

 あなたは神を信じますか?
 「私が神だ」


DLsite:神隠し しょぅじょ贄
FANZA:神隠し しょぅじょ贄
サークル『ベェーカリィー

 ロリロリしい少女に背後から忍び寄り……という歪んだ欲望をロールプレイできる作品。
 このゲーム内でならプレイヤーは神なので、誘拐ではなく神隠しということにできる。ゲームの中でなら……。
 おまわりさんこっちです。

 贄となる少女の逃走値が100になる前に接近し切れば神隠し成功。
 ただし、少女たちはそれぞれ特殊能力というか、技を用いて警戒を強めてくるので一筋縄にはいかない。
 そこで、こちらも様々な技を駆使して少女に這い寄っていくのだが、この応酬がターン制とかでなくリアルタイムで繰り広げられる。
 アクションゲー並に忙しく動かすことになるので心して臨もう。

 それでいて終盤ともなると、ちゃんと技構成を考えたうえでギリギリ神隠しできるくらいの難易度になる。
 とはいえ、いつでも難易度は変更できるし、特にペナルティがある訳でもないので、厳しいなと思ったら変えていこう。
 ボクのプレイヤースキルでは、難易度「普通」で何とか一通りクリアすることができたが、もう一度はできる気がしない。
 ここまでやってきたんだし……と謎の使命感で最後まで貫き通したものの、注力すべきは多分そこじゃない。
 ボクのプレイ時間が長くなりがちなのもこういうところなんだろうな。

 神隠しに成功すると、お楽しみシーンへ。

 ぷにっとしたロリっ子たちが魑魅魍魎に穢れを注がれる。
 明らかに設定上はロリに含まれないないだろうキャラクターさえもロリに見えてくるので、絵柄の力ってすごい。
 ロリコンの諸兄方はきっと満足できるはず。

 さて、今回の記事はここからが本編。
 ※文字のウエイトがめちゃめちゃ大きくなります。

 個人的に本作の一番の推しポイントは「シナリオ」にあると思っている。
 本作はノベルゲーかアドベンチャーなのでは?という程度には様々な要素が絡み合い、伏線が張り巡らされていて、とても重層的な物語である。
 本作の登場キャラクターはそれぞれに他のキャラクターと関係性を持っており、同時に多くの謎が散りばめられている。

 例えば、「奈々瀬」というキャラクターは何か悩み事を抱えている様子で村を散歩している。

 そこで、這い寄る最中に「心を覗く」という技を使うと、その悩みの一端を垣間見ることができる。
 あくまで断片的な情報でしかないが、物語の結末へとたどり着くための重要なヒントが得られる。

 プレイヤーは神という立場なのに謎を解き明かしていかなければ結末に辿り着けないのだ。
 そう、このゲームは限りなくミステリーとカテゴライズされるべき作品なのである。
 少女たちからすれば、ホラーや怪異譚に写るだろうが。

 謎解きを含め、基本的には少女を神隠しすることで物語は進行していくのだが、神隠しされた少女という存在は世界からいなくなってしまう。
 さらに消えてしまうのは存在そのものだけでなく、少女の持ち物や人々の記憶からも消えてしまう。

 ここで重要なのは、「人々の記憶からも消えてしまう」こと。
 本作の登場キャラクターは互いに何かしらの関係性を持っているため、誰かが神隠しに遭い記憶から消えてしまうと、そのキャラクターに関係する人物の行動に変化をもたらす場合があるのだ。
 なので、神隠しする順番やタイミングによって物語が変化していく。

 いつ、誰を神隠しするのか、そこに制約はなく、自由にできるからこそ主観的に物語を辿る者としてゲームの世界に入り込むことができる。
 設定の妙というのか、システムとシナリオと噛み合い過ぎているくらいに上手な構成だ。
 これを思いついた時は興奮で眠れないだろうな……。

 そして紆余曲折ありながら結末を迎える訳だが、個人的にはこのエンディングに若干の引っ掛かりを感じている。
 と言ってもネガティブなものではなく、物語に相応の厚みとクオリティがあるからこそ感じる読了感みたいなものだ。

 着地としてはきれいに締め括られているが、みんな幸せ!めでたしめでたし!みたいな事ではない。
 キャラクターにはそれぞれ光と影の側面があり、影の部分を排するのではなく、併せ持っていきながら「そういうものだよね」と納得させるのが実に人間くさい。
 作品全体を通してそういった対比的なものが印象的に描かれているように思える。

 これは作中の人間と神様との差を浮き彫りにしている。
 作中の「神様」はあまり恣意的に行動するものではなく、「そう在るもの」という必然性を軸として行動している。
 大して見返りがある訳ではないが、そう願われたからという理由で動いたりもする。
 考えてみれば「神頼み」というのは一方通行で、「来月末までに叶えていただきたいのですが、ご都合いかがでしょうか」みたいなお伺いを立てることは普通しない。
 神様側からすれば極めて身勝手な話だが、さも当然のように聞き届けてもらえる。
 人間味に欠けると言うべきか、神様らしいと言うべきか。

 こういった行動原理や価値観の違いがこの物語の根底を成す一部分ではあるが、事細かに説明してくれる訳ではなく、作中の言動から察して理解する部分も多い。
 おそらく事前情報なしに本作を手に取った人はシナリオ目的ではないと思うので、想定外のところに大物が待っていたと面食らうことになるだろう。ボクがそうだった。
 ある程度、物語を読むぞという姿勢を作って臨んだ方がきっとより作品を楽しめるはず。

 ここまでシナリオに熱を入れてダラダラと書き連ねてきたが、ゲームの楽しみ方は人それぞれなので、強制しようなんてことは思っていない。
 攻略サイトを見れば最短ルートで割と簡単に結末に辿り着けてしまうし、単純に少女に這い寄るロールプレイを楽しんだっていい。
 ただ、ボクはシナリオに高いポテンシャルを感じているので、自分の手で試行錯誤しながら物語を味わってほしいなと思う。それだけ。

 ちなみにCi-enでは本編の後日譚である神隠しAfterが配信されている。
 短編エピソードが3つ収録されており、そこそこボリュームがあるのに無料。無料。
 本編をプレイした人は是非やってみてほしい。

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